【評論家/呉智英氏】平和を守り戦争を防ぐために軍事研究は万人に開かれるべき[6/12] [無断転載禁止](c)2ch.net

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http://mint.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1497262536/

ゼロ戦が復刻され、イベント飛行でその機体が披露された。このことに対して、「戦

争賛美でけしからん」と批判する人がいる。果たして、こういった軍事関連から目を

背けるべき、という批判は平和を守り戦争を防ぐことへとつながるのか? 評論家の

呉智英氏が、平和を守るための軍事研究はどのようにあるべきかについて論じる。

 * * *

 信頼するに足る日本近現代史家、保阪正康が「ちくま」六月号にこんなことを書い

ている。

「昭和という歴史を解明するには、『軍事』に一定の知識を持たなければ不明なこと

があまりにも多いことに気づいた」「軍事については自分自身で学ぶことこそ重要だ

とも気づいた」

 私は歴史家ではないが、学生時代にやはり最小限の軍事知識は必要だと気づいた。

手始めに岩波新書高木惣吉『太平洋海戦史』と林三郎『太平洋戦争陸戦概史』を読

んだのもその頃のことだ。以後気になる軍事・戦史・兵器の本を手に取るようにして

きた。そして、私のまわりの連中がいかに無知で愚かであるか知った。

今ではCD-ROM版でしか読めない大月書店の「マルクスエンゲルス全集」は補巻を含

めて全四十五巻に及ぶ。中で一番不人気の巻は第十四巻「軍事論集」であった。私が

マル・エン全集で最初に買ったのは、この第十四巻である。だって、どこの文庫にも

入ってないんだもの。友人たちからは変人扱いされた。しかし、おかげで「鹿砦」の

読みも意味も知った。

 1980年頃のことである。「風の旅団」と名乗る前衛だかアングラだかの演劇団体が

あった。「旅団」を旅する戦闘集団のことだと思っているらしい。それなら師団は日

教組かなにかのことなのだろうか。旅団も師団も軍隊の単位である。前衛だのアング

ラだのと称する連中の程度が知れる話だ。

 某過激派の最高指令者だった荒岱介(あら・たいすけ、故人、組織は解散)の回顧

録『大逆のゲリラ』(太田出版、2002)に“新兵器”開発の話が出てくる。1980年

末、火炎放射器を製造し、某県山奥で放射実験をしたところ、ガス圧が強すぎてノズ

ルの制御ができず、仲間が大火傷を負ったという。兵器の基礎知識も満足ではなかっ

た。

 こんなことをいくつも思い出したのも、この三月末、日本学術会議が軍事目的での

科学研究を行なわないという従来の方針を再確認したからである。愚かとしか言いよ

うがない。平和を守り戦争を防ぐためにこそ軍事研究は万人に開かれなければならな

い。

 警戒すべきは、軍事知識・軍事技術の機密化である。それを自ら進んで後推しして

いることになる。左翼的な青年はもちろん、平和主義的な青年も、防衛大学自衛隊

へ入る際にはチェックされる。そちらの方こそ批判しなければなるまい。

原発批判の安斎育郎立命館大学名誉教授は、オカルト批判でも有名で、私も共鳴する

点がいくつかある。彼は東大で原子力工学を専攻していた。それ故にこそ原発批判に

説得力もある。

 かのマルクスは若い頃に身の危険を感じ、大英帝国に亡命した。そして大英帝国

その政治力と経済力で作り上げた大英図書館に籠って『資本論』を書いた。大英帝国

が“愚かにも”開放的であったからであり、マルクスが敵の資産の価値を知っていた

からである。日本学術会議のお偉い先生方は何を考えておられるのだろうか。

●くれ・ともふさ/1946年生まれ。日本マンガ学会前会長。著書に『バカにつける

薬』『つぎはぎ仏教入門』など多数。

週刊ポスト2017年6月23日号

https://www.news-postseven.com/archives/20170612_563061.html

http://jump.2ch.net/?https://www.news-postseven.com/archives/20170612_56306

1.html

2017.06.12 16:00